在宅癌患者への訪問リハビリテーション介入 ~パンフレット導入の効果~

いちえ会 洲本伊月病院 リハビリテーション部 看護部 訪問看護、看護部 一般病棟、看護部 療養病棟、緩和外科
○坂本敏行、木曽健太、奥井大介、木下昌子、内藤美保、佐伯尚美、桂あかり、松延理恵、川二美、西尾美帆、橋本芳正

はじめに

近年、癌患者に対するリハビリテーション(以下リハ)は推奨されているが、癌患者には周知されていない。
特に在宅療養だけの癌患者は、入院癌患者に比べてリハを知る機会が少なく、必要性があってもほとんど介入出来ていなかった。
そこで緩和ケア開始時より、リハの説明用パンフレットを配布し、今まで介入が少なかった在宅療養患者に、訪問リハを行っていく糸口とした。

方法

訪問リハを実施した患者を、入院中からリハを実施し退院したA群、外来受診のみのB群に分類した。
A・B両群にパンフレットを配布し2カ月後の介入人数、平均介入日数を比較検討した。
本研究は、当院の倫理委員会にて承認を得ている。

結果

パンフレット導入後の介入人数は、A群は1名減少、B群は4名増加。
1人当りの平均介入日数はA群にて18.7日増加、B群は28.5日増加を認めた。

考察

A群では、リハの必要性を理解している為、訪問リハの受け入れも良好であり、介入日数の増加が認められたと考えられる。
B群では、配布前はリハの必要性が高くても、存在や役割が知られていない為に介入出来ずにいたが、配布する事で介入のきっかけとなり、介入後は家で生活しやすくなったなど肯定的な意見が多く聞かれた。
また、リハに否定的であった患者でもリハの役割を説明する事で、受容されたケースもあり、患者のQOL維持を図る為に、今後さらに周知を図り、より早期から介入出来るようにしていきたい。

状態が悪化してからのリハでは、リハの説明とから始まるため、対応が遅れてしまう。
そのため、通院初期からリハの啓発を行い、必要性を理解してもらうことが、在宅での介入日数を増やし、生活の質を高める有意義なリハに繋がることが示唆される。
また、患者のリハへの理解を深めるためには、入院リハ担当や訪問看護と連携することが有用であると考えられる。


はじめに

近年、癌患者に対するリハビリテーション(以下リハ)が推奨されているが、あまり癌患者に周知されていないことで、受け入れが悪くなる場合もあり、在宅からの介入では敬遠されることも多かった。
そのため、通院初期からリハの周知を図ることで、必要性を理解してもらい、早い段階から在宅でのリハを開始できる環境作りを行った。

方法

  1. リハの紹介パンフレットを作成して外来患者に配布
  2. ターミナルカンファレンスでの情報収集方法の見直しと改善を行い、パンフレット導入の前後2カ月で、実施回数と平均介入日数の比較をする。

結果

訪問リハビリ実施回数が、パンフレット導入前2カ月で8回、後2カ月で24回に増加。
平均介入日数も17.3日から29.6日に増加した。
また、外来・訪問看護、入院リハスタッフとの情報交換が密になり、入院・訪問間でのリハが切れ目無く継続できるようになった。

考察

状態が悪化してからのリハでは、リハの説明と関係性の構築から始まるため、対応が遅れてしまう。
そのため、通院初期からリハの啓発を行い、必要性を理解してもらうことが、在宅での介入日数を増やし、生活の質を高める有意義なリハに繋がることが示唆される。 また、患者のリハへの理解を深めるためには、入院リハ担当や訪問看護と連携することが有用であると考えられる。

今後、通院時の体力測定を実施するなど、啓発を進めると共に、身体機能の経過も追っていきたい。

訪問のターミナル患者の推移と入院からか外来からかのデータ過去6ヶ月のリハ実施ターミナル患者の増加数を数字で出すことで結果とする。
訪問の6ヶ月の延べ人数とその中のターミナルの割合。
訪問看護とのわりあい
はじめにの部分で、訪問の立場から感じたことなら言い切りでもいい。それが一般論なのかどうか はじめの部分が、一般論ぽいがそのあとがつづかない・・・

緩和ケア外科に立ち上げに合わせて、必要性のあるリハビリ体制を整えた。
また、院内でのリハの認知度が向上することで、訪問リハ利用者も増加し、スムーズな在宅への移行が可能になっている。
緩和ケア患者のリハビリを知るきっかけとして多い、入院中からのスタッフからの呼びかけと、スタッフ自体の緩和ケアに対する意識が変化したことが患者数の増加に繋がったと考えられる。
しかし、すべてのターミナル患者にリハビリテーションが施行できておらず、まだスタッフにも浸透していないと考えられるので、今後リハビリテーションスタッフの体制を変化させることで、漏れなくリハビリテーションが実施できるようにしていきたい。
近年、がん患者に対するリハビリテーション(以下リハ)が積極的に行われているが、その必要性はあまりがん患者に周知されていない。
状態が悪化してからの介入では対応が遅れてしまい、必要性があったにも関わらず、全員が受けられていない場合がある。
そのため、当院ではリハの啓発を行うと共に、リハの必要性を検討する入院時評価を行うことで、実施人数の増加を認めたので報告する。