緩和ケアに対する介護職員(看護助手)の想い ~アンケート調査を通してみえたもの~

医療法人社団 いちえ会 洲本伊月病院 緩和ケアチーム
牧瀬美枝子 東原恵暢 川 二美 佐伯尚美 桂あかり 岡 頼子 西尾美帆 橋本芳正

目的

近年介護職は様々な負担から離職者が増加している。当院は淡路島にある私立病院であり、緩和ケアを行うにあたり、介護職の存在は不可欠である。そこで介護職員が終末期の患者の対応に、ストレスや不安を感じていないのかアンケート調査を行い、介護職員の緩和ケアに対する想いの抽出を図った。

方法

介護職員(32名)へアンケート(複数回答可)を実施、その結果を分析した。

結果

アンケート回収率は100%で、その内終末期患者対応経験者は約86%であった。経験者のうち患者の対応で困った事があるが約70%あり、家族の対応で困った事があるが約37%であった。その内容は、ケア中に疼痛で声が出る、患者・家族に泣かれた等があげられた。
また、関わって辛いと思った事がある経験者は100%で、その内容は弱っていく姿を見ている時、早く死にたいと言われた時等であった。しかし77%の介護職員が終末期患者に関わって、良かったと思った事があると回答している。

考察

介護職は直接的なケアが多く、患者・家族の想いを目の当たりにする事が多い。その中で、対応に困ったり、辛い事があったりする現状が浮き彫りとなった。しかし77%が関わって良かったと回答している事から、緩和ケアへのモチベーションを保てているのではないかと推察された。今後も多職種と連携を図り、介護職のモチベーションアップに努め、より充実した緩和ケアの提供をしていきたい。