医療法人いちえ会 介護保険施設せんけい苑 緩和ケアチーム1)
医療法人いちえ会 洲本伊月病院 緩和ケアチーム2)
〇桂 あかり1)、佐伯 尚美1)、川 二美2)、西尾 美帆2)、橋本 芳正2)
目的
厚生労働省が重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、地域包括ケアシステムの構築の実現を目指している。その中で施設での看取りを推奨しており、介護報酬改定により2006年から看取り加算が開始されている。厚生労働省の人口動態統計によると2000年より2022年では自宅での看取りは15%前後と変わらない中、施設での看取りが0%だったものが14%と増加している。介護老人保健施設である当施設でも看取りを実施しているが、今後も施設での看取りが増えていく事が予想され、それに対応していく為に、看取りに関しての勉強会を実施。今後のより良い看取りをしていく為に、施設の介護士と看護師にアンケート調査を実施した。その結果から今後の課題を見出した。
活動の概要
①介護士・看護師に対して看取りケアの勉強会を実施・アンケート調査依頼②アンケート集計③アンケート結果の分析
成果
アンケート回収率、介護士(技能実習生も含む)96%・看護師90%。看取りの経験は介護士86%看護師100%あり。介護方法の不安は介護士、看護師共に89%あり。症状に対する不安 介護士97%看護師100%あるという結果が得られた。それに伴い、生じる症状に対してのケア方法・対応方法、具体的な声掛けやコミュニケーション方法、看取りに向けた準備内容等を学びたいという希望も多数あった。
考察
看取りに関しての勉強会を実施し、その後のアンケート結果から、介護士・看護師共に看取りに関しての介護方法や症状に対する不安が強い事が分かった。同時に看取りに関しての知識欲が高い事もわかった。このことから、知識・技術・コミュニケーションを学ぶことでより良い看取りへと繋がっていくのではないかと推察される。今後、介護士・看護師への細やかな教育を実施してく事が課題と考える。