医療法人いちえ会 洲本伊月病院 緩和ケアチーム
川 二美 山中 純子 佐伯 尚美 桂 あかり
岡 頼子 西尾 美帆 藤田 逸郎 橋本 芳正
目的
2018年「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」の改訂がなされ、ACPの重要性が強調された。当院においても、実施・普及に努めている。ACPを普及していくにあたり一般の人にACPについての意識調査を行い、2020年当学会にて報告した。結果、言葉の普及はすすんでいるが、必要性や、具体的な内容・方法についての理解が不十分であり、ACPの具体的な内容と方法を示す必要が示唆され、ACP相談窓口の開設を試みた。
活動の概要
ACPパンフレット・手引き書の作成、同意書の作成、調査結果・啓蒙ポスターの作成、相談窓口の設置、相談の対応手順の作成を行い、病院運営会議での承認後、ポスターの貼付、相談窓口の案内設置。相談窓口開設における問題点が抽出された。①多岐にわたる対象者へのパンフレット・手引書の作成の難しさ②対応スタッフの確保③医師への協力依頼④コストが発生しないことへの協力依頼の4点が主なものとして挙げられた。①に対し当院の患者層に合わせた簡易なものを作成、また、それもとにACP未経験者に疑似体験を行い、反応を確認しながら改良した。②③はチームで行い④は2020年の診療報酬改正により包括ケア病床の算定条件内に組み込まれ、かつ今後の需要についても説明し承認を得ていった。
成果
約2年かけて、相談窓口を設置することができた。
考察
相談窓口を設置するにあたり、幾多の課題が持ち上がり、その都度対応していったが、現在も完全に解決しているわけではない。経験を積み改良を重ねACPの普及に努め、ACPを行う事の意義・意味を感じてもらえるよう努めていきたい。