医療法人いちえ会 洲本伊月病院 緩和ケアチーム
〇川 二美、凪 淳子、西尾 美帆、橋本 芳正
目的
2024年度の診療報酬・介護報酬改定において「ACPの推進」が重要論点の1つにあがっており、近年ますますACP普及の重要性が謳われている。しかしながら、2017年と2020年の認知度調査においては、ほとんど変わっていないという結果が報告されている。当院においても、2021年にACP相談窓口を開設したが、相談者は年間数名であり、様々な試みを実施しているものの、中々普及されていない。今回、淡路島の病院において、ACPの実施や普及状況について現状を把握するため、アンケート調査を実施した。その結果より、普及するための課題を抽出した。
活動の概要
①淡路島内の病院へアンケート調査依頼②アンケートの集計③アンケート結果の分析
成果
6病院から回答が得られた。回答病院すべてACPは必要と考えており、内容に差はあるものの取り組みも実施している。実際できていない、あまりできていない病院は66.7%。実施が難しい50%少し難しい50%。困難な要因としてはタイミング83.3%、職員の知識不足66.7%、時間がない50%であった。淡路島内でのACP内容の共有については83.3%の病院がしたいと望んでおり、共有方法についてはACP内容の共有100%、フォーマットの統一60%となっている。ACPはどうしたら広がるかの問いに対し、職員の教育100%、医療関係者向けの研修の開催83.3%、一般向けの研修会の開催66.7%であった。
考察
アンケートの結果より、淡路島の病院においてACPは必要という認識は高く、取り組みも開始されているが、実施に対して苦渋していることが浮き彫りとなった。問題点としてACPの啓蒙に対し知識不足という回答が多いことから、研修会等の教育活動や島内のどこでも患者の思うケアの提供ができるようACP内容の共有化について等、普及の為の継続した活動が必要であると考える。