目的
当院は一般・療養病棟、訪問看護を有する病院で、平成17年より緩和ケアチーム(算定無し)を発足し活動している。
この度平成22年12月より緩和ケア外科を新設するにあたり、これまでの他院からの紹介内容を分析し、他院連携の一助となるよう検討した。
方法
平成17~22年の癌で看取った患者の紹介元を、A群:病院・島外、B群:病院・島内、C群:医院・島外、D群:医院・島内に分け、目的別に紹介内容を分類し検討した。
本研究は個人が特定できない様、倫理的配慮を行った。
結果
A群は約2割であるが、増加傾向にあり、当初の、「遠方の為、通院困難」から「緊急時の対応」や、「治療は島外の病院で、緩和ケアは当院で」という共診的な目的に変化している。
また「淡路島に帰りたい」という症例もあった。
B群は約4割で、目的は「癌治療の終了」「家族の希望」「緩和ケア」等。
C、D群の多くは精密検査又は入院緩和ケア目的であった。
考察
A群では癌拠点病院が当院と連携する事で、緊急時の対応や、通院困難となった場合にスムーズに移行するようにといった配慮が伺え、また当院とのパイプを形成した事が件数増加に繋がっていると考える。
B群は癌治療終了時の転院先として選ばれている事が推察され、C・D群では医院での対応困難時の入院先として求められている事が示唆された。
今後、緩和ケア外科を充実させそれぞれに広く対応していく事が必要である。