医療法人社団 いちえ会 洲本伊月病院 緩和ケアチーム
橋本 芳正 川 二美 佐伯 尚美 桂 あかり 岡 頼子 西尾 美帆 藤田 逸郎
目的
兵庫県のがん教育総合支援授業の一環として、がんに対する正しい知識、がん患者への正しい理解、自他の健康と命の大切さに対する認識を深めると共に、将来にわたってがん予防や早期発見につながる行動を行おうとする態度を促し、共生社会の一員としての資質や能力の育成を図る。また、学校教育においてがん教育の大切さを啓発する機会とする。
活動の概要
我々は淡路島で癌の手術や緩和ケアを行っている。この度兵庫県がん教育モデル校のK小学校6年生の児童に対しがんとはどういうものか、なぜがんになるのか、予防法、がん患者の気持ち、緩和ケア、淡路の現状等について30分の講演と、15分の質疑応答を行った。
成果
公演後の質疑応答で時間を上回る質問があった。当初児童はがんは怖いもの、自分には関係ないものとの考えであったが、質問を通しがんに対する理解、がん患者に対する気持ちに変化が見られ、家族に予防を勧めたいとの意見もあった。後日児童たちが作成したポスターでも同様の感想がみられた。また一緒にいた教員からは、自身も癌に対する新しい理解が得られたとの反応も見られた。
考察
質問やポスターから児童であってもがん自体や緩和ケアについて十分理解できる能力があることがうかがえた、児童たちにわかる内容でのがん教育を行うことにより、がんを身近な病気と捕らえ啓蒙、予防することができると考える。また身近に癌の患者がいる児童もおり、癌患者へのいたわりを促すことができると考える。一方教員にもがんに対する教育の方向性を示すことができ、日常的指導に結びつられると考える。今後はモデル校以外に一般の学校にも普及することを願う。