当院におけるがん患者の訪問リハビリテーションの現状 ~がん患者リハビリテーション対応スタッフの配置を導入して~

医療法人社団 いちえ会 洲本伊月病院 リハビリテーション部1)
医療法人社団 いちえ会 洲本伊月病院 看護部2)
医療法人社団 いちえ会 洲本伊月病院 緩和ケア外科3)
新川 忠輔1) 三山 光宏1) 木曽 健太1)
川 二美2) 佐伯 尚美2) 桂 あかり2)
岡 頼子3) 西尾 美帆3) 橋本 芳正3)

目的

当院では平成26年8月よりがん患者リハビリテーション(以下がんリハ)料の算定を開始し、2年以上が経過した。その間がんリハ対応スタッフを増員し、訪問リハスタッフの中にもがんリハ研修を受講したスタッフを配置した。その利点を検討する。

方法

平成26年8月~平成28年7月までの2年間のがんリハ処方件数延べ223件の内、訪問リハに引き継いだ16件を振り返る。

結果

がんリハ処方件数のうち緩和的リハ対象:139件。自宅復帰患者:30件。訪問リハ介入件数:16件。退院時のみ同行を行った患者:4件。訪問リハ介入患者のPerformance Status(以下PS)はPS3:8名、PS4:8名。平均介入期間は30.8日。介入頻度は週1~2回であった。

考察

当院の特色として介入患者は予後が短く、対応のスピードや柔軟性が求められる。訪問リハスタッフは入院リハと兼務しており、退院前からリハ介入が可能な状態にあり、退院前カンファレンスなど在宅スタッフとの情報交換の機会が多く取れる。また入院中に直接介入ができなくても、訪問リハ開始前からリハ担当者間でADLや家屋状況、予後、練習内容などの情報交換が容易であり、比較的スムーズに訪問リハ介入が可能となっている。このことより、がんリハ経験があるスタッフを訪問に配置することで、多くの利点があると考える。