医療法人いちえ会 洲本伊月病院 緩和ケアチーム
橋本 芳正、川 二美、凪 淳子、西尾 美帆、藤田 逸郎
はじめに
我々は在宅での緩和ケアの希望に対し、可能な限り対応し、在宅での看取りについても積極的に行なっており、急遽在宅に移行する症例も多数経験している。今回呼吸状態の悪化に伴い急遽在宅での見取りを希望され、その対応を行ったので報告する。
事例
80台 男性 胃癌、膵臓癌 妻、次女夫妻の4人暮らし
2025.XY.17 緩和ケア目的で近医より紹介入院。状態安定すれば在宅希望。
X Y.27 12:00 呼吸淺表性となりしばらく経過観察したが、今後急速に状態悪化することが予想された。
12:25 家族に連絡。
13:00 長女、次女到着。主治医より状態厳しいことを説明。このまま入院継続するか、思い切って在宅へ帰るかを相談。
14:00 家族は連れて帰ることを決断、退院準備開始。
病棟看護師:家人におむつ交換手技説明、点滴は手技を簡単に説明、吸引に関しては拒否。変化があれば当院で対応するのでまず訪問看護に連絡し、救急車を呼ばないように説明。残された時間は少ないので妻だけでなく他の家族も一緒に付き添う様伝えた。訪問看護師に直接状態を説明した。
病棟事務:自宅到着時に間に合う様在宅酸素の手配。
地域連携担当者:寝台車の手配。ケアマネージャーに連絡、急な退院となったため、訪問看護師と共に患者の自宅で待機する様にした。
14:30 医師、看護師付き添い自宅へ向け退院。
15:00 自宅到着、ケアマネージャー、訪問看護師と情報交換 、同時に在宅酸素業者も到着。
本人も自宅へ帰ったことがわかり、妻、長女、次女も帰れたことへの安堵感あり笑顔も見られた。
その後家族の時間がもたれ21:30 自宅で永眠。
考察
今回残された時間が少ない状態であっても退院を希望され決断から1時間で在宅に移行することができた。これは日頃から各職種間の迅速な情報共有とそれぞれの役割分担ができていたことが早期退院を可能にしたと考える。これからも可能な限り本人、家族の意向に沿うよう多職種で協力していきたい。
